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1961年に始まった市町村の国民健康保険事業は、社会保障としてすべての国民に医療を保障するものだった。HPやパンフレットには、「社会保障制度」という言葉がない。
社会保障の中の相互扶助とはどういう意味か?
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パンフレット等は、被保険者、分かりやすく説明することにし、「相互扶助」を「助け合い」と表現している。
社会保障制度のひとつであることは、法令等で明確に定義されているので、改めて明記していない。
国民健康保険法では、第1条に「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健
の向上に寄与することを目的とする。」と明記している。
国民健康保険事業は、疾病や負傷の際の医療費を補填し、十分な医療が受けられるようすることを目的に
、掛金を拠出し合い相互扶助を行う医療保険制度の中で、被用者保険と共に位置づけられ「国民皆保険」を
実現している。
国民健康保険法第76条で、保険者である市町村は、保険料、保険税のいずれか一方を選択し徴収すること
が義務付けられている。
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では、木更津市の場合、所得200万円の40歳代夫婦子ども二人の世帯が払う国民健康保険税は年間いくら
か? |
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所得200万円の40歳代夫婦子ども二人の世帯で、資産割が無い場合は、年額329,200円である。 |
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厚労省「平成22年度国民生活基礎調査の概要」によれば、2009年度の相対的貧困率(可処分所得が122万
円を満たない)は16%、17歳以下の子どもの貧困率は15.7%。木更津市では、収納率が、平成22年度で
81.96%。約2割が滞納している状況。滞納している世帯で、17歳以下の子供がいる家庭はどのくらいか。
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今年7月に、保険証を更新した際、456世帯 806名。 |
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H23年6月1日現在、国保の被保険者は、23672世帯、そのうち、5038世帯が滞納。
そして、今年、7月時点で保険証を更新した世帯の中で、17歳以下の子供がいるのは、456世帯。その子ども
は806人。こどもの貧困がますます浮き彫りになってくる。
ネグレクト(育児放棄)と言われる現象は積極的ネグレクトと消極的ネグレクトの2つに分けられる。
・「積極的ネグレクト」は、親に養育の知識や経済力の不足など、子供を育てられない明確な理由がないのに
育児を放棄すること。
・「消極的ネグレクト」は、親の経済力が不足していたり、精神的疾患を抱えている、などのなんらかの理由が
あり、結果として、育児ができないことをいう。
収納率アップすることで、消極的ネグレクトがふえることは避けなければならない。教育格差も懸念される。
さて、憲法25条には、『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』。『国は、すべ
ての生活部面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない』。」と
あるが、この憲法25条や新国民健康保険法を根底に置いた収納率アップとは、どのように行っているのか。
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滞納されている方が、滞納相談に訪れた場合、まず、支払い能力の確認、収入に対して支払の内訳等を聞
き取り、支払納期ごとの支払いが困難と判断された場合、分割による支払で納付をお願いしている。 |